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自動車税の還付金、受取り条件や手続きは?還付金額が一目で分かる一覧表付き

更新

2025/04/14

公開

2025/04/14

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自動車税(種別割)には「還付」という制度があります。自動車を廃車にしたとき、納めた税金の一部が戻る仕組みです。

すべての車や状況が対象となるわけではありませんが、申請のタイミングによって金額が変わるなど、知らないと損をすることも。

本記事では、自動車税の還付を受けるための条件や手続き方法、還付金額の一覧表を紹介します。

目次

    自動車税の還付、まず知っておきたいポイント

    おおまかなポイントは以下のとおりです。

    自動車税(種別割)還付のポイント 

    • 自動車税は毎年4月1日時点の所有者に課税される
    • 車を廃車(永久、または一時抹消登録)にすると、残りの期間分の税金が戻ってくる
    • 軽自動車は還付対象外

    1.自動車税の還付を受けられる条件とは?

    自動車税の還付を受けられる条件は以下のとおりです。

    cartax-kanpu-01.png

    それぞれについて詳しく解説していきます。

    還付の対象となるケース

    以下をいずれも満たす際に還付の対象となります。

    • 普通車で永久抹消登録または一時抹消登録をした
      • 永久抹消登録、または一時抹消登録をすると、還付の対象となる
        • 永久抹消登録:車を解体処分などして登録を抹消する。永久に再登録できなくなる
        • 一時抹消登録:車を残したまま登録だけを抹消する。再登録することが可能
      • 自動車税を含む地方税が未納でない(全額支払っている)
        • 自動車税のほか、住民税や固定資産税などの地方税を全額支払っている場合、還付の対象となる
        • 未納の地方税があると、自動車税の還付金が未納分に充当されて還付されないことがある

    還付されないケース

    • 軽自動車は対象外
      • 主に人を乗せて移動のために利用される「乗用自動車」のうち小型自動車・普通自動車が対象となり、軽自動車やトラックなどの貨物自動車は対象外
    • 名義変更や売却では還付されない
      • 人に車を譲ったり、中古車店に売却したりした場合は譲渡(名義変更)となり、抹消登録とは異なるため、還付は受けられない。前の所有者が納めた自動車税は、次の所有者に引き継がれる
    • 3月に抹消登録した場合は還付なし
      • 還付の対象となるのは抹消登録の手続きが完了した翌月から。抹消登録の手続きが3月に完了した場合は還付を受けられない。還付金を受け取るためには、遅くとも2月中に手続きをする必要がある

    2.還付金の計算方法

     還付の対象となる場合、以下のような計算式で還付金額が計算できます。

    自動車税の還付金額=年間の自動車税 ÷ 12 × 残りの月数(抹消登録した翌月~3月まで)

    自動車税は月単位での計算となるため、例えば抹消登録した日が8月1日でも8月31日でも還付金額は同額。月末締めのため、1日でも月をまたいでしまうと還付金は1か月分少なくなります。抹消登録を計画している際は注意しておきましょう。

    例えば、「排気量1,200ccで年間税額30,500円」の車を8月に廃車にすると、還付金額は以下の計算式で導けます。

    30,500円 ÷ 12 × 7か月(9月~翌3月)= 17,700円還付(100円未満は切り捨て)

    2019年10月1日以降に新車登録された車の還付金額の一覧表は以下のとおりです(月は「抹消登録した月を指す)。

    排気量 基本納付額 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月
    660cc超~1,000cc以下 ¥25,000 ¥22,900 ¥20,800 ¥18,700 ¥16,600 ¥14,500 ¥12,500 ¥10,400 ¥8,300 ¥6,200 ¥4,100 ¥2,000 ¥0
    1,000cc超~1,500cc以下 ¥30,500 ¥27,900 ¥25,400 ¥22,800 ¥20,300 ¥17,700 ¥15,200 ¥12,700 ¥10,100 ¥7,600 ¥5,000 ¥2,500 ¥0
    1,500cc超~2,000cc以下 ¥36,000 ¥33,000 ¥30,000 ¥27,000 ¥24,000 ¥21,000 ¥18,000 ¥15,000 ¥12,000 ¥9,000 ¥6,000 ¥3,000 ¥0
    2,000cc超~2,500cc以下 ¥43,500 ¥39,800 ¥36,200 ¥32,600 ¥29,000 ¥25,300 ¥21,700 ¥18,100 ¥14,500 ¥10,800 ¥7,200 ¥3,600 ¥0
    2,500cc超~3,000cc以下 ¥50,000 ¥45,800 ¥41,600 ¥37,500 ¥33,300 ¥29,100 ¥25,000 ¥20,800 ¥16,600 ¥12,500 ¥8,300 ¥4,100 ¥0
    3,000cc超~3,500cc以下 ¥57,000 ¥52,200 ¥47,500 ¥42,700 ¥38,000 ¥33,200 ¥28,500 ¥23,700 ¥19,000 ¥14,200 ¥9,500 ¥4,700 ¥0
    3,500cc超~4,000cc以下 ¥65,500 ¥60,000 ¥54,500 ¥49,100 ¥43,600 ¥38,200 ¥32,700 ¥27,200 ¥21,800 ¥16,300 ¥10,900 ¥5,400 ¥0
    4,000cc超~4,500cc以下 ¥75,500 ¥69,200 ¥62,900 ¥56,600 ¥50,300 ¥44,000 ¥37,700 ¥31,400 ¥25,100 ¥18,800 ¥12,500 ¥6,200 ¥0
    4,500cc超~6,000cc以下 ¥87,000 ¥79,700 ¥72,500 ¥65,200 ¥58,000 ¥50,700 ¥43,500 ¥36,200 ¥29,000 ¥21,700 ¥14,500 ¥7,200 ¥0
    6,000cc超 ¥110,000 ¥100,800 ¥91,600 ¥82,500 ¥73,300 ¥64,100 ¥55,000 ¥45,800 ¥36,600 ¥27,500 ¥18,300 ¥9,100 ¥0

    基本納付額については以下の記事を参照してください。

    関連記事
    自動車税はいつからいつまでに払う?滞納リスクから支払方法まで2025年最新情報を解説

    3.手続きの流れ

    還付手続きの流れは以下のとおりです。

    • 【1】抹消登録の申請(廃車手続き)
    • 【2】自治体から還付通知書が届く
    • 【3】還付金の受取り

    それぞれのステップについて詳しく解説します。

    【1】抹消登録の申請(廃車手続き)

    以下の書類を準備し、管轄の運輸支局等に提出します。

    <一時抹消登録に必要な書類>

    • 一時抹消登録申請書
    • 手数料納付書
      • 自動車検査登録印紙を貼付、もしくはキャッシュレスの場合はその旨を記載
    • 所有者の印鑑(登録)証明書(発行後3か月以内)
    • 自動車検査証
    • 自動車登録番号標(ナンバープレート)
    • 事業用自動車等連絡書(事業用車の場合)

    <永久抹消登録に必要な書類>

    • 永久抹消登録申請書
    • 手数料納付書
      • ただし手数料は無料
    • 所有者の印鑑(登録)証明書(発行後3か月以内)
    • 自動車検査証
    • 自動車登録番号標(ナンバープレート)
    • 所有者の氏名または名称の変更の事実、もしくは住所のつながりが証明できる書面
      • 氏名または名称、住所に変更があった場合のみ
    • 事業用自動車等連絡書(事業用車の場合)

    手続きを業者や代理人に依頼する場合は、このほかに所有者の委任状(実印を押印)が必要です。

    車検証を紛失した、ナンバープレートが盗難されたなど状況によっては、追加で書類の提出を求められることもあります。

    最寄りの運輸支局等は以下ページより検索できます。

    全国運輸支局等のご案内|国土交通省

    なお、「自動車保有関係手続のワンストップサービス」を使えばインターネットでも申請できます。

    【2】自治体から還付通知書が届く

    車の抹消登録が完了すると、還付金がある場合は地方自治体から通知書が送られてくるのが一般的。東京都の場合、抹消登録等が確認されてから1か月程度かかるとされています。

    通常は通知書が届きますので、ATM操作を指示するような不審な電話がかかってくる還付金詐欺には注意しましょう。

    【3】還付金の受取り

    銀行振込または金融機関での受取りとなります。還付通知書で自治体から指示された方法に従いましょう。

    4.よくある質問(FAQ)

     Q.還付金が振り込まれないのですが......。

    A.まずは抹消登録が正しく完了しているか確認してください。

    自治体にもよりますが、還付通知書が届くまで1〜2か月ほどかかることもあります

    還付通知書が届いたあと、振り込まれない場合は、通知書に記載の手続きをきちんと行ったか確認し、不明な点があれば通知書に記載の問い合わせ先に連絡しましょう。

    Q.代理人でも還付金を受け取れますか?

     A.受け取れます。その場合は、所有者の実印を押印した委任状を提出する必要があります。

    Q.4月に抹消登録する場合はどうなりますか?

     A.4月1日時点の所有者に納税義務が発生するため、納付通知書が届いたら一度、当該年度分の自動車税を納める必要があります。その後、4月中に抹消登録した場合は11か月分が還付されます。

    Q.廃車にして、自動車税以外に還付される税金はありますか?

    A.永久抹消登録の場合は、自動車重量税も還付されます。なお、自動車重量税は軽自動車も還付の対象です。

    自動車重量税の還付については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

    関連記事
    自動車重量税の還付金とは?受けとるための条件や方法について

    5.監修者コメント 

    車を手放す際は「売却」を選ぶ方が多いと思いますので、売却先の販売店に税還付について確認することをおすすめします。

    業者によっては「買取金額に還付金が上乗せ」されていることがありますが、その場合は還付委任状を記入する必要が生じます。

    廃車の場合、本記事にもあるとおり、月をまたぐと還付金が減額されなくなることもありますので、依頼者業者に「いつまでに廃車されるのか」という点を確認しましょう。

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    宇野 源一
    監修
    宇野 源一(うの げんいち)
    大学を卒業後、日系大手メーカー系ディーラーに就職し、新車の販売をはじめとしたカーライフの提案に従事。 その後、金融業界の業務・教育支援を行う会社に転職し、法人営業に従事しながら2級ファイナンシャル・プランニング技能士、AFP資格を取得。FP知識を活用した車の買い方や、ランニングコストの削減アドバイスが得意。
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