運転免許証の更新の際に免許センターで写真を撮影するものの、仕上がりに納得がいかない思いをしたことはありませんか?しかも優良ドライバーの場合、次の更新は5年後。できれば納得のいく写真にしたいですよね。
実は、運転免許証に使用する写真は、自分で撮影したものを使用することができます。今回は運転免許証用の写真を撮影する場所や持参する際の条件、撮影する際のコツをご紹介。納得のいく運転免許証用の写真を撮影したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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1. 運転免許証更新用の写真はどこで撮る?
はじめに、運転免許証更新用の写真を撮影する場所を紹介します。あわせて、それぞれの撮影場所のメリットやデメリットも解説します。
運転免許試験場
運転免許証更新用の写真は、運転免許試験場で撮影できます。流れ作業のなかで撮影していくので、更新にかかる費用以外に追加料金がかからないのがメリットです。
ただし、必ずしも納得のいく写真になるとは限りません。その場で確認して撮り直しをすることもできないため、写真にこだわりたい人は自分で撮影したものを持参した方が安心です。
写真館やスタジオ
写真館やスタジオも、運転免許証更新用の写真を撮影できます。プロの手で魅力を引き出しながら撮影してくれるので、クオリティの高い一枚に仕上がります。価格は1500円~1万円程度(美肌オプションなどで変動)で、納得がいくまで撮り直しも可能。
コストと時間がかかりますが「多少お金をかけてもキレイな写真にしたい」という方におすすめです。
証明写真機
運転免許証用の写真は、駅やスーパーなどに設置されている証明写真機でも撮影できます。写真館やスタジオよりも撮り直しの回数は少なくなりますが、機種によっては2~4回まで再撮影が可能な機種もあるのもうれしいポイントです。対して、機種によって映りが良くなかったりブレが発生したりすることもあります。
証明写真機は設置場所によっては24時間いつでも利用できるため「なるべく良い写真を撮影したいけど忙しくて写真館やスタジオに行く時間がない」「自分で撮影をするのは苦手」「写真撮影に適したスマートフォンを所有していない」という方にもおすすめです。
自宅など
スマートフォンやカメラを利用して、自宅などで運転免許証用の写真を撮影することも可能です。納得がいく写真を撮影できるまで何度も再撮影できるので、コストをかけずに納得のいく写真を撮影できるのがメリット。ただし、撮影が苦手な方や機材によっては、満足のいく仕上がりにならないこともあります。
また、スマートフォンで撮影をする際は、顔が歪んで映ることがあるので注意が必要。多くのスマートフォンに搭載されているレンズは、小さいセンサーでより多くの範囲を映せるようにドーム状(球面)になっています。AIやシステムの補正である程度歪みが補正されても、端の部分に歪みが出やすい傾向にあります。自宅でスマートフォンを用いて撮影する際は、2〜3mほど離れた場所からズームをして撮影するのがコツです。
2. 運転免許証用の写真を持参する際の条件
運転免許証用の写真を持参する際は、以下の条件を満たす必要があります。
- 道路交通法の基準を満たしている
(縦3cm×横2.4cm、国際運転免許証を申請する際は縦4.5cm×横3.5cm) - 帽子をかぶっていない(宗教上または医療上の理由がある場合を除く)
- 正面を向いており、背景は無地
- 直近6カ月以内に撮影した写真
- 個人識別がしやすい
背景は無地であれば色は青色や水色が一般的ですが、都道府県によっては薄い灰色、桃色、薄い茶色など、ほかの色も認められています。青色以外の背景で撮影した写真を使用したい場合は、事前に管轄の免許センターに確認すると安心です。また、撮影時に着用している洋服と同化しない色を選ぶとよいでしょう。
3. 運転免許証用の写真を撮影する際のコツ
次に、運転免許証用の写真を撮影する際のコツを紹介します。
誰かに撮影してもらう場合のコツ
人に運転免許証用の写真を撮影してもらう際は、背筋をのばして顎を引き、まっすぐ前を向いて撮影するのがコツです。この時、立ったまま撮影しても問題ありませんが、撮影者の身長が低い場合、下から撮影することになってしまうため、背もたれのない椅子に座って撮影するのがおすすめです。
カメラ越しに姿勢や身だしなみをチェックしてもらってから撮影すると、何度も撮り直しになる手間が省けるかもしれません。
スマートフォンで撮影する際のコツ
スマートフォンで運転免許証用の写真を撮影する際は、歪みや影を防ぐために2〜3m離れた距離から1.5〜2倍ほどズームをして撮影するのがコツです。誰かに撮影してもらうのが難しい場合は、三脚やスマートフォンを固定できる器具を使用して、タイマーで撮影するのがおすすめです。
また、無地の背景を用意できない場合は、証明写真撮影用のアプリを使用するとよいでしょう。背景の合成や映りの調整を入れてくれるため、撮影しやすくなります。
自宅などで撮影する際には、なるべく日中に自然光が入る明るい部屋で撮影することをおすすめします。どうしても夜間でないと撮影できない場合は、天井からの照明の光で、顔に影ができないように気をつけましょう。
4. 運転免許証の写真を撮影する際の身だしなみは?
運転免許証の写真を撮影する際の身だしなみは、背景と同化しない色の服を選びましょう。特に免許センターで写真を撮る場合、背景が青色や水色のケースが多いため注意が必要。生成色(ベージュ)や白色などの明るい色合いの服を選ぶと、表情が明るく見えるためおすすめです。
また、巻き髪など輪郭が隠れる髪型も避けた方がよいでしょう。本人確認がしづらいとされ、NGになるケースもあります。撮影時には髪の毛を耳にかけたり結んだりして、輪郭が出るようにしましょう。
ちなみに顔が隠れる帽子やヘアバンド、大きいヘアピンなども、装着したままの写真は免許証に使用できません。しかし、宗教上の理由や医療目的で帽子やヘアバンドを着用する場合は、例外として認められています。
ウィッグを着用する場合は、日常生活で使用しているかどうかが判断基準です。パーティー用の派手なウィッグではNGになる可能性もあるため、注意しましょう。
カラーコンタクトなどを装用する際は、条件付きで可能です。2021年に規制が緩和されて以降、瞳の色や大きさが極端に変わらなければ、問題ないとされています。
しかし担当者に「印象が変わる」と判断された場合は、運転免許証の使用に適さないとされ差し戻しになるケースも。判断に迷う場合は、クリアレンズかメガネで対応するのが安心です。
5. 運転免許証使用に適さない写真の例
ここからは、運転免許証に使用する際に適さない写真の例を紹介します。
例①道路交通法施行規則の基準を満たしていない写真
運転免許証の使用に適さない写真の例は、以下の通りです。
- 頭部を覆うような幅の広いヘアバンドやバンダナ等をしている
- 顔や目線が正面を向いていない
- 背景に景色が写っている
- サイズが合っていない
- 撮影から6カ月以上経っている
- 頭など体の一部が途切れている
など。
顔の一部が途切れているなど、体の一部が写真に収まっていない場合も使用できません。また、歯を出して笑っている写真もNGのため注意。明るい表情で映りたい場合は、口を閉じて口角を上げる程度にとどめましょう。
例②個人の識別が容易にできない写真
個人の識別が容易にできない写真も、運転免許証の使用に適さないと判断されます。具体的には、以下の通りです。
- 顔や目が髪の毛や衣類、スカーフなどで隠れている
- マスクを着用している
- 写真を修正、合成している
- 写真が明るすぎる、もしくは暗すぎる
- 歯を見せて笑っている
など。

顔や目が髪の毛や衣類、スカーフで隠れている写真は本人確認ができないため、運転免許証に使用できません。また、メガネのレンズに光が反射していたり、メガネのフレームに目が重なっていたりする場合も同様に、差し戻しになるケースがあります。
サングラスや色付きのレンズも同様に、申請時に専用の機械で写真を読み込んだ際に写真の濃淡が変わって色が濃くなるケースがあるでしょう。それにより個人が識別できない(瞳が確認できない)と判断されれば、再提出になるかもしれません。
例③運転免許証が適正に作成できない写真
運転免許証が適正に作成できない写真も、使用に適さない例の一つです。たとえば、以下の例が挙げられます。
- コピーされた写真
- 写真に傷や汚れがある
- 頭の上に2〜4ミリの余白がない
- 背景が無地ではない
など

自宅で撮影する場合は、壁紙の模様や家具、コンセントの映り込みに注意。また、写真紙以外にプリントした場合、写真に線が入っているなどの理由で使用不可になるケースもあります。
さらに、都道府県によっては「写真の裏に氏名・撮影日時を記入」など、細かな指定が設けられていることも。そのため、運転免許証用の写真を持ち込む場合は、手続きする運転免許センターなどに事前に確認しておくとよいでしょう。
6. 運転免許証用の写真を持ち込む際の注意点
次に、運転免許証用の写真を持ち込む際の注意点を解説します。
注意点①手続きに時間がかかり、当日に交付されない場合がある
持ち込み写真はデータ化や審査が必要なため、免許センターで撮影するよりも時間がかかります。そのため、当日中に免許証が交付されない可能性があります 。
また、自治体によっては写真を持ち込む際に電話予約が必要なケースや1日の対応人数上限が決まっているケースがあります(※)。免許の更新期日にゆとりを持って手続きをするのがおすすめです。
注意点②規定を満たしていない場合は再申請が必要になる
運転免許証用の写真として規定を満たしていない場合、その場で撮影し直すか再度申請が必要になることも。撮り直しになることがないよう、規定をしっかりチェックしておきましょう。もし自分で適切な写真を用意できるか不安な場合は、写真スタジオなどで撮影をお願いする方が安心かもしれません。
また、持ち込んだ写真が使える会場が限定されている点にも注意が必要です。以下に、主要な都道府県の会場を紹介しますので、参考にしてみてください。
| 都道府県 | 持参写真の使用が可能な会場 |
|---|---|
| 東京都 | 運転免許試験場(府中、鮫洲、江東)。 |
| 神奈川県 | 運転免許センター、即日交付警察署以外の警察署。 |
| 愛知県 | 運転免許試験場。※事前の電話予約が必要 |
| 大阪府 | 運転免許試験場、警察署。 |
注意点③提出した写真がそのまま免許証の写真とならないこともある
持ち込んだ写真は専用の機械で読み込んで印刷するため、色彩や濃淡が変わったり、画質が劣化したりすることがあります。そのため、提出した写真がそのまま免許証の写真にならないケースもあることを認識しておくとよいでしょう。
7 .運転免許証用の写真を撮り直したい際はどうする?
運転免許証の写真を撮り直したい際は、再交付の申請を行います。これまで、免許は一度取得(更新)したら、基本的に3~5年は同じ写真を使用しなければなりませんでした。しかし2019年12月に免許証再交付による要件が緩和され「写真を変えたい」という理由で再交付の申請ができるようになったのです。
再交付の際には2500円(税込)程度の手数料がかかるほか、平日に休みを取るなどの手間も伴います。少し手間をかけてでも納得のいく写真を用意しておけば、再交付の手間がなくなるかもしれません。
8. まとめ
本記事では、運転免許証用の写真を撮影する場所や持参する際の条件、撮影する際のコツを紹介しました。あわせて、運転免許証の使用に適さない写真の例も解説。運転免許証に使用する写真を持ち込む際は規定が細かく決められているため、撮影前に申請写真のルールをチェックしておきましょう。
もし規定を満たした写真を用意する自信がないという方は、証明写真機を利用したり、撮影スタジオなどでプロのカメラマンに撮影をお願いしたりするのがおすすめです。
運転免許証は、一年のうち何度も提示する機会があるもの。納得のいく写真で作成できれば、提示した際に気分が上がりますよね。提示するたびに、ちょっと嬉しい気持ちになれるはず。自分が納得のいく写真で免許証を更新して、気持ちよく使いましょう。
9. 監修コメント
自宅などで撮影した写真を運転免許証に使いたい場合は、プリント方法にも気を配ることが重要です。プリントする前に顔の位置やサイズを正しく整える必要があり、自宅のプリンタで設定するのは意外と難しいものです。うまく切り取れなかったり、余白や顔のバランスが合わなかったりするケースも少なくありません。
そこでおすすめしたいのが、コンビニにある写真プリンタの利用です。USBメモリなどに保存したデータを読み込んでプリントでき、サイズ指定が可能なうえ、画面の指示に従えば顔の位置も正しく配置できます。色味を調整できる機種もあるので、自宅でプリントするよりも理想に近い仕上がりが期待できます。
