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タイヤ交換の時期・タイミングや費用相場は?ご自身で行う方法や注意点も解説

更新

2025/12/15

公開

2022/11/02

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タイヤ交換は、タイヤの摩耗が進んだときや一定の走行距離を迎えたときなどに必要です。劣化したタイヤを使用し続けると、グリップ力などの低下により危険性が高まるからです。

本記事では、タイヤの交換時期・タイミングの目安やタイヤ交換ができる場所、費用、注意点などについて、解説します。

目次

    1. タイヤ交換時期・タイミングの目安

    タイヤを交換する時期の目安としては、主に「タイヤの寿命がきたとき」「季節の変わり目」の2つです。具体的には、以下のようなタイミングが挙げられます。

    <寿命>

    • 残り溝が約4mmになったら
    • 走行距離が30,000kmになったら
    • タイヤの製造年数が3~5年になったら
    • 走行時の感覚が変わったら

    <季節の変わり目>

    • 冬用タイヤと夏用タイヤの交換時期になったら

    それぞれについて、詳しく説明します。

    <寿命>残り溝が約4mmになったら

    タイヤの交換時期は、タイヤの溝の深さで判断することができます。一般的に残り溝が4mm以下になると、雨天時の制動距離が急激に伸びるといわれています。安全性の観点から、このタイミングで交換を検討するといいでしょう

    また、タイヤの摩耗状態を確認する目安としてスリップサインがあります。
    スリップサインは、タイヤが路面と接するトレッド面に設けられており、タイヤの側面にある△のマークがその位置のガイドになります。深さが1.6mmになると、スリップサインがタイヤの表面と同じ高さになって浮き出てくるようになります。

    なお、保安基準ではタイヤの溝の深さが1.6mm以上であることが合格条件とされています。つまり、スリップサインが出てしまってからでは遅いので、タイヤの残り溝が4mm以下になった時点で交換するのが、安全上においても望ましいでしょう。

    <寿命>走行距離が30,000kmになったら

    一般的なタイヤのゴムは走行距離約5,000kmにつき1mm摩耗し、新品タイヤの溝はブランド・サイズにより異なりますが、およそ8mmです。これらから計算すると、先ほどお伝えした溝の深さ1.6mmに達するのは、「走行距離が32,000km程度のとき」となります。

    あくまでも目安なので、走行距離が30,000km近くになってきたら適宜タイヤを確認することを心がけましょう。

    <寿命>タイヤの製造年数が3~5年になったら

    タイヤの損耗度合は、タイヤの保管状況や車の使用状況、運転方法などによって変わります。そのため、タイヤを交換するタイミングを使用期間で指定するのは難しいです。

    タイヤメーカーもタイヤの消費期限を明記してはいませんが、製造から10年経ったタイヤは交換を推奨しており、5年経ったタイヤは点検を推奨しています。ただし、実際の損耗度合は保管環境や使用状況にもよるので、製造または使用開始から3〜5年経った段階で、一度点検や交換を検討するのが安心です。

    <寿命>走行時の感覚が変わったら

    走行中、タイヤが地面に触れることで発生する音のことをロードノイズといいますが、このロードノイズに変化を感じたときも注意が必要です。新品のタイヤだとロードノイズはそこまで大きくありませんが、タイヤを使い続けていると、聞こえてくる音が少しずつ大きくなります。また、ブレーキの効きが悪くなった、雨の日にすべりやすくなったといった変化も、タイヤが劣化しているサインかもしれません。

    このようなタイヤの変化を最感じたら、タイヤ交換を検討してみても良いでしょう。

    2. タイヤ交換の方法と費用の比較

    タイヤ交換をするには、主に5つの方法があります。
    タイヤ交換を行える場所およびそれぞれのケースでのタイヤ交換にかかる費用は、以下のとおりです。

    方法 費用(タイヤ4本分) メリット デメリット こんな人におすすめ
    ディーラー 工賃(8,000円~50,000円)
    +タイヤ代
    ・純正タイヤの在庫が豊富。
    ・メーカー基準の安心した作業品質。
    ・工賃・タイヤ代ともに高め。
    ・待ち時間が長くなる傾向。
    ・車のことは全て任せたい人
    ・品質と安心感を最優先する人。
    タイヤ専門店 工賃(4,000円~20,000円)
    +タイヤ代
    ・タイヤの専門知識が豊富。
    ・タイヤの選択肢が多く、相談しながら選べる。
    ・時期によっては非常に混み合う。
    ・店舗数が限られる。
    ・タイヤの性能にこだわりたい人
    ・専門家のアドバイスが欲しい人。
    カー用品店 工賃(4,000円~15,000円)
    +タイヤ代
    ・工賃が比較的安い。
    ・タイヤ以外の用品も一緒に見られる。
    ・店舗によっては混み合う。
    ・特殊なサイズのタイヤは在庫がない場合も。
    ・コストを抑えつつ、気軽に交換したい人。
    ガソリンスタンド 工賃(4,000円~30,000円)
    +タイヤ代
    ・店舗数が多くアクセスしやすい。
    ・給油ついでに依頼できる。
    ・タイヤの品揃えが少ない。
    ・専門的な作業は対応不可な場合も。
    ・とにかく手軽に、急いで交換したい人。

    基本的にタイヤ交換にかかる費用は、タイヤ本体価格と交換工賃です。タイヤ交換は主に、タイヤとホイール両方を交換する「履き替え」と、タイヤのみを交換する「組み換え」の2パターンあります。組み換えの方が工数は多いため、作業工賃が高くなることが多いです。
    なお、「工賃無料」とうたっている業者もありますが、この場合、タイヤ本体価格に工賃を含めているケースもあるので、依頼前にきちんと確認しておきましょう。これらの他にも、タイヤ交換をする際には以下のような工賃が発生します。

    ・ホイールのバランス調整

    タイヤのホイールのバランスにズレがあると、走行中に振動するようになったり、タイヤが偏摩耗したりします。そのため、脱着・組み換えにかかわらず、タイヤを交換した際には、ホイールのバランス調整という作業が必要になります。ホイールのバランス調整は、基本的にタイヤ交換の工賃に含まれている場合が多いです。

    ・タイヤ廃棄料

    タイヤは一般ゴミとして廃棄できません。専門の回収業者などに依頼して廃棄しなければいけないため、タイヤ交換時にはタイヤ廃棄料も発生することがほとんどです。タイヤ廃棄料は業者によって異なりますが、1本あたり500円前後が目安です。

    ・エアバルブ交換費用(劣化している場合)

    エアバルブとは、タイヤに空気を入れる注入口につける部品で、ゴム製のものが一般的です。エアバルブが劣化すると空気漏れにつながることがあるため、タイヤ交換と同時に交換することが多いです。エアバルブ本体の価格は1本あたり300円〜です。

    ・その他

    上記の他、タイヤの空気圧を安定させる効果がある「窒素ガス充填費」や、タイヤの装着位置を入れ替えることでタイヤの寿命を延ばす「タイヤローテーション」なども希望する場合には、その費用も別途発生します。

    3. タイヤ交換を依頼できる場所の特徴

    先ほども少し触れましたが、タイヤ交換の方法としては、主に以下のようなところが挙げられます。

    • ガソリンスタンド
    • タイヤ専門店
    • カー用品店
    • ディーラー
    • 自分で行う

    ここでは、タイヤ交換を行えるお店について、それぞれの特徴を詳しく説明します。

    ディーラー

    ディーラーでは、専門的な技術や知識を持つ整備士に、純正タイヤへの交換を行ってもらえます。また、車の状態を踏まえたメンテナンスの提案を受けられることもあります。一方、費用はガソリンスタンドやタイヤ専門店に比べて高めになるケースが多く、作業が終わるまでの時間も長くなる傾向があります。
    そのため、「多少費用がかかっても安心感と品質を重視したい」「整備士にトータルで車の状態を見てもらいたい方」という方に向いています。

    ガソリンスタンド

    作業スペースや設備が整ったガソリンスタンドでは、タイヤ交換を行うことができます。給油や洗車などで普段から利用している場所で依頼できるため、手軽に利用できるのが大きなメリットです。営業時間が長い店舗も多く、早く交換したいときにも頼りやすい存在です。
    ただし、タイヤの品揃えが限られていたり、サイズの大きいタイヤや特殊な形状のホイールの場合には作業ができなかったり、といったケースもあります。
    事前に希望するタイヤの交換が可能か確認する必要がありますが、「とにかく近くで手軽にタイヤを交換したい」「給油ついでにタイヤ交換をしたい」という方におすすめです。

    タイヤ専門店

    タイヤ専門店では、タイヤの知識が豊富なスタッフに作業を行ってもらえます。技術力が高く、さまざまな種類のタイヤやホイールの交換を行うことが可能です。
    ただし、タイヤ専門店でのタイヤ交換を希望する方は多いので、夏タイヤ⇔冬タイヤの交換時期は混みあうことも多いです。
    タイヤ専門店は、「自分の車に合うタイヤをしっかり選びたい」「タイヤ交換と同時に足回り全体を整えたい」と考える方に向いています。

    カー用品店

    タイヤ以外に幅広く車用品を扱うカー用品店でも、タイヤの持ち込み交換の依頼が可能です。複数のメーカーや様々な価格帯のタイヤ、純正品から海外製のリーズナブルなモデルまで幅広く取り揃えているのが魅力です。
    しかし、タイヤ専門店と同様に夏タイヤ⇔冬タイヤの交換時期は混みあうことが多いので、早めに予約しておくのが賢明です。
    カー用品店でのタイヤ交換は、「コストを抑えて交換したい」「メーカーや種類を比較して選びたい」という方にぴったりです。

    4. タイヤ交換をご自身で行う方法

    タイヤ交換を自分で行う方法について解説します。なお、タイヤ交換作業は危険を伴うため、少しでも不安がある場合はご自身で無理に行わず、専門業者に依頼しましょう。

    まず、タイヤ交換を自分で行う際に必要な工具を紹介します。
    なお、ここで紹介するのは、ホイールに組み込まれた状態のタイヤを交換する「履き替え」の方法になります。ホイールから外して新しいタイヤを取り付ける「組み換え」作業には専用の機器が必要なため、一般の方が自宅で行うことはできません。

    • ジャッキ
    • レンチ(トルクレンチ)
    • 輪止め
    • 軍手
    • 空気圧計
    • 空気入れ
    • 実際にタイヤ交換を行う際の工程は、以下の5つに分けて考えると良いでしょう。

    交換前の安全確認

    • 車のジャッキアップ
    • 古いタイヤの取り外し
    • 新しいタイヤの取り付け
    • 交換後のチェック

    1. 交換前の安全確認

    タイヤ交換を行う際は、ジャッキという道具を使って車を持ちあげる「ジャッキアップ」をする必要があるので、必ず平らな場所で行わなければなりません。

    また、車の周囲でタイヤを転がしながら作業を進めるため、周囲にある程度広さがある場所であることが望ましいです。サイドブレーキが引かれていることも、きちんと確認しましょう。

    2.車のジャッキアップ

    ホイールキャップがついている場合は、事前に外しておきます。ホイールキャップレンチやマイナスドライバーを使用して、外しましょう。

    また、ジャッキアップしている間に車体が動いてしまうことを防ぐために、ジャッキアップする箇所の対角のタイヤに、輪留めやタイヤストッパーをセットしましょう。

    準備が整ったらジャッキアップを行いますが、いきなり行うとホイールを緩めるのが大変なので、ナットを少しだけ緩めておきます。ナットは4〜6個程度ありますので、すべて少しずつ緩めれば大丈夫です。

    ジャッキアップの詳しい手順や注意点は以下の記事を参考にしてください。

    関連記事
    「車のジャッキアップとは?位置や方法について解説」

    3.古いタイヤの取り外し

    ジャッキアップしていきタイヤが2〜5cmほど浮いたら、タイヤを外します。事前にナットを緩めておくことで、簡単に取り外せるようになっているはずです。

    タイヤを外す際は、ナットを無くさないことや、タイヤに手を挟まれないようにすることなどに注意しましょう。

    4~5.新しいタイヤの取り付け・交換後のチェック

    ご自身でタイヤ交換を行う場合は、「回転方向指示の有無や向きを確認する」「タイヤの空気圧を確認する」「タイヤの適合をチェックする」といったことに気を付けなければなりません。

    タイヤの中には、回転方向や付ける位置が決まっているものがあります。指定されたとおりの回転方向や箇所のとおりに付けなければ本来の性能を発揮できないだけでなく、危険な場合もあります。タイヤの側面に「RIGHT⇒」などの表記がないかどうか、事前に確認しておきましょう。

    タイヤの空気圧も、タイヤ交換の前に確認しておく必要があります。特に長期間保管してあったタイヤは空気圧が足りていないことも多いので、足りない場合には適切な空気圧まで充填しましょう。

    セルフ式のガソリンスタンドにはタイヤ用の空気充填機が設置してあり、希望すれば点検してもらえることがあるほか、設置された充填機を自由に使える場合もあります。なお、メーカー推奨の空気圧に関しては、一般的に運転席ドアの開口部に書かれています。また、取扱説明書で確認することも可能です。

    インターネットなどで、ご自身でタイヤを購入した場合は車とタイヤがきちんと適合するかを確認しなければなりません。同じ車種でも、グレードや年式・オプションなどが異なるとタイヤのサイズは異なります。ホイールサイズに適合するタイヤでなければ、装着することはできません。

    タイヤ交換を誤った方法で行うと、作業時や走行時にトラブルが発生する場合もあり危険です。少しでも自信がない場合は、無理にご自身で行おうとせずに業者に依頼しましょう。

    5. タイヤ交換を業者に依頼するときの注意点

    ご自身でタイヤ交換を行う場合は、「回転方向指示の有無や向きを確認する」「タイヤの空気圧を確認する」「タイヤの適合をチェックする」といったことに気を付けなければなりません。

    タイヤの中には、回転方向や付ける位置が決まっているものがあります。指定されたとおりの回転方向や箇所のとおりに付けなければ本来の性能を発揮できないだけでなく、危険な場合もあります。タイヤの側面に「RIGHT⇒」などの表記がないかどうか、事前に確認しておきましょう。

    タイヤの空気圧も、タイヤ交換の前に確認しておく必要があります。特に長期間保管してあったタイヤは空気圧が足りていないことも多いので、足りない場合には適切な空気圧まで充填しましょう。

    セルフ式のガソリンスタンドにはタイヤ用の空気充填機が設置してあり、希望すれば点検してもらえることがあるほか、設置された充填機を自由に使える場合もあります。なお、メーカー推奨の空気圧に関しては、一般的に運転席ドアの開口部に書かれています。また、取扱説明書で確認することも可能です。

    インターネットなどで、ご自身でタイヤを購入した場合は車とタイヤがきちんと適合するかを確認しなければなりません。同じ車種でも、グレードや年式・オプションなどが異なるとタイヤのサイズは異なります。ホイールサイズに適合するタイヤでなければ、装着することはできません。

    タイヤ交換を誤った方法で行うと、作業時や走行時にトラブルが発生する場合もあり危険です。少しでも自信がない場合は、無理にご自身で行おうとせずに業者に依頼しましょう。

    6. 安全のためにも適切なタイミングでタイヤ交換を行いましょう

    車に安全に乗り続けるためには、タイヤ交換を行うことが欠かせません。タイヤ交換を行うべきタイミングは、残り溝が約4mmになったら、走行時の感覚が変わったらなどいくつかあるので、適切なタイミングでのタイヤ交換を意識しましょう。

    タイヤ交換は、ガソリンスタンドやタイヤ専門店・ディーラーなどで行ってもらうことができます。必要な費用やタイヤ交換に要する作業時間などはそれぞれ異なるので、交換を依頼したいお店が決まっているのであれば、事前に確認しておくのが賢明です。

    7. 監修コメント

    「パンク」と聞くと、自転車のようにチューブに穴が開く状態を想像する方もいるのではないでしょうか。しかし、現在の自動車ではチューブレスタイヤが主流で、ホイールにタイヤを強く密着することで空気を保持する構造になっています。
    チューブレスタイヤの最大の利点は、異物が刺さっても一気に空気が抜けにくいことです。走行中に釘などが刺さった場合でも徐々に空気が抜けていくので、突然操縦安定性が失われるリスクを抑えてくれます。
    ただ、チューブレスタイヤもデメリットがあります。ホイールの密着面に腐食や損傷があると、その隙間から空気が漏れてしまうことがあります。タイヤを点検する際は、必ずホイールの状態も確認しましょう。

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    井口 豪
    監修
    井口 豪(いのくち たけし)

    特定行政書士、法務ライター®︎。タウン誌編集部や自動車雑誌編集部勤務を経て、2004年にフリーライターに転身。自動車関連、ファッション、スポーツ、ライフスタイル、医療、環境アセスメント、各界インタビューなど、幅広い分野で取材・執筆活動を展開する。20年以上にわたりフリーライターとして活動した経験と人脈を生かし、「行政書士いのくち法務事務所」を運営。許認可申請、入管申請取次、遺言書作成サポートなど法務のほか、記事監修や執筆業も多数手掛ける。自動車業務に熟達した行政書士だけが登録を認められる、ナンバープレートの出張封印が可能な「丁種会員」でもある。

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