自動車保険の保険料はさまざまな要素によって決まりますが、特に車の料率クラスは保険料に影響を与えます。料率クラスは車の型式ごとに設定されており、その型式の事故状況や盗難リスクや修理コストなどに基づいて決定されます。この記事では、料率クラスの仕組みや確認方法をわかりやすく解説します。
- 目次
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1. 自動車保険の料率クラスとは?
自動車保険の料率クラスとは、車の型式ごとの事故発生状況に応じて区分されているもので、保険料を決める際の一つの評価基準となるものです。
自動車保険では、契約者からいただいた保険料をもとにして事故にあった方に保険金が支払われますが、すべての保険契約について事故にあう確率が同じではありません。
そのため保険料は、事故リスクが高く保険会社が保険金を支払う可能性が大きくなるほど高くなる仕組みとなっていて、その事故リスクを表す評価基準の一つが「料率クラス」です。補償の内容や等級が同じでも、料率クラスが違えば保険料は異なります。
2. 料率クラスの仕組み
「型式別料率クラス」は損害保険料率算出機構が定めており、毎年1月1日に見直しを行っています。
型式とは、車種やモデルを細かく識別・分類する記号のことです。たとえば、同じ車でもある型式の車が頻繁に事故を起こしている場合、その型式の料率クラスが高くなります。
2.1.料率クラスが適用される車は3つの用途車種
料率クラスは、自家用普通乗用車・自家用小型乗用車・自家用軽四輪乗用車(※)の3つの用途車種に適用されます。一方、自家用小型貨物車、自家用軽四輪貨物車や特種用途自動車(キャンピング車など)には適用されません。
料率クラスが適用される | 料率クラスが適用されない |
---|---|
自家用普通乗用車 自家用小型乗用車 自家用軽四輪乗用車 |
自家用小型貨物車 自家用軽四輪貨物車 自家用普通貨物車 特種用途自動車(キャンピング車など) |
※この3つの用途車種のみ料率クラスが適用されている理由は、自動車全体のなかで保有台数が多く、車ごとに性能や構造などの多様化が進みリスクの実態の較差が大きいためです。保険会社が車ごとの実態に合った保険料を算出できるよう、料率クラスが細かく設定されています。
2.2.料率クラスが決まる基準
料率クラスは、損害保険料率算出機構が算出する「参考純率」において設けられています。参考純率とは、自動車保険を取り扱う保険会社が保険料を決める際に基準として使う数値であり、保険料のうち事故が発生したときに保険会社が支払う保険金に充てられる「純保険料率」を示しています。
参考純率は損害保険料率算出機構が各保険会社から集めた契約や支払いに関するデータを分析し、社会環境の変化などを考慮して算出する数値であり、金融庁長官の審査を受けた後、各保険会社に提供されます。保険会社はこの参考純率をもとに、自社の自動車保険の保険料を設定しています。
参考純率において設けられる料率クラスは、型式ごとに区分が設けられており、主に事故率や盗難リスクなどのデータをもとに決定されます。たとえば、事故率が高い、また修理費用が高額な型式はリスクが高いと評価され、クラスが上がる傾向にあります。一方で、盗難リスクが低い、また安全性能の高い型式はクラスが低く設定される傾向にあります。
2.3.料率クラスの区分
自家用普通乗用車・自家用小型乗用車の料率クラスは、クラス1からクラス17までの17区分、自家用軽四輪乗用車はクラス1からクラス7までの7区分に分かれており、数字が大きくなるほど保険料が高くなるのが特徴です。料率クラスには、自動車保険の基本補償である「対人賠償」「対物賠償」「傷害(人身傷害・搭乗者傷害)」「車両保険」の4つの項目があり、下図のようにそれぞれクラスが設定されます。
それでは、料率クラスが異なると、どのくらい保険料が変わるのでしょうか。
損害保険料率算出機構の公表データによると、料率クラスが一つ上がると、保険料は約1.1倍となります。自家用乗用車(普通・小型)の場合、クラス1とクラス17の保険料は約4.3倍の開きがあります。
3.料率クラスを調べる方法
損害保険料率算出機構が定めている料率クラスは、任意保険に加入している方であれば保険証券から確認することができます。また、ほかの方法としては損害保険料率算出機構の公式サイトで検索が可能です。以下で手順を説明します。
3.1.手順①車の型式を確認する
車の型式は、アルファベットと数字の組み合わせで決められる記号で、自動車検査証(車検証)で確認できます。たとえば「MZRA90W」といった記号です。
なおこれから購入予定の車の場合は、販売店で公表している車の情報や、メーカーカタログなどで確認が可能です。
3.2.手順②損害保険料率算出機構のサイトで確認する
型式がわかったら、損害保険料率算出機構のサイトで、簡単に料率クラスを調べることができます。また、型式以外にも「メーカー・車名」で検索することもできます。
なお、自家用普通乗用車・自家用小型乗用車・自家用軽四輪乗用車であっても改造車、型式不明車、並行輸入車および未発売・発売して間もない型式は検索できません。
たとえば、前述した「MZRA90W」で検索すると以下のような結果が表示され、補償別の料率クラスがわかります。
補償内容 | 料率クラス |
---|---|
対人賠償責任保険 | 4 |
対物賠償責任保険 | 2 |
人身傷害保険 | 8 |
車両保険 | 6 |
AEBの装着による保険料の割引 | 対象外 |
この損害保険料率算出機構のサイトでは、毎年11月頃に翌年(1月1日~12月31日)の契約を想定した参考純率上の料率クラスが掲載されています。
4. 料率クラスによって自動車保険の保険料が変わる
料率クラスは保険料を決める大切な要素の一つであるため、もし料率クラスが見直されて上がった場合は、自分が事故を起こしていなくても、保険料が上がる可能性があります。
また、高級車やスポーツカーなどは、修理費が高額になるケースが多いことや、盗難リスクが高いことから料率クラスは高い傾向にあります。なお料率クラスが17など高い場合は、保険会社によっては引受に制限を設けている場合もあります。
料率クラスの仕組みを理解し、自身の車のクラスを確認することで、自動車保険をより納得して選ぶことができるでしょう。
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